「憲法ひろば・杉並」スタート集会
「働けど働けどワーキングプア」

  森川文人・雨宮処凛

>>[第2部:若者からの報告]

10月20日18時半から杉並区産業商工会館で<「憲法ひろば・杉並」スタート集会「働けど働けどワーキングプア」>を開催しました。

最初に「憲法ひろば・杉並」を代表して東本さんが挨拶。「いま、憲法の理念がないがしろにされようとする時代に、日常的な問題を通して憲法の理念を学んでいこうという人々によって『憲法ひろば・杉並』を発足、スタートさせた。格差社会とワーキングプアの問題にスポットをあてた本日の集会は、そのスタート集会だ。どうか仲間になってください」と呼びかけました。

集会の第1部は雨宮処凛さんと森川文人さんの対談形式で現在の格差社会やワーキングプアの実相について問題を提起しました。

まず最初に、お二人が自己紹介。雨宮さんは、自殺問題や労働問題・生存問題をテーマにした取材をし、本を出版してきたが、最近、プリカリアートという言葉に遭遇し、問題の本質が見えてきた。プリカリアートとは不安定化したプロレタリアートというイタリア生まれの造語で、新自由主義の下で不安定化・貧困化する人々のことだ。生存権を求めて、プリカリアートという言葉を使って活動していますと自己紹介しました。森川さんは、自分が弁護士になりたてのころ、昭和天皇が死亡する時期に自粛騒ぎがあったが、その時期に天皇の戦争責任を追求する運動を担う人々が不当逮捕され、弁護活動を依頼され活動したが、その過程で劣悪な労働条件で働かせれているイラン人の活動やホームレスの支援活動に参加するようになった。現在は、ホームレスの人々の借金問題や生活保護の相談など「ホームレス総合相談ネットワーク」の代表を務め活動していると自分を紹介しました。対談の中では、両氏がそれぞれの活動の中での体験に基づき、意見を交換しました。

雨宮さんは、長時間労働・低賃金政策の結果、借金付けなっている人・欝病になる人、餓死寸前になるまで追い詰められている人・ネットカフェ難民になったり、ホームレス化している人など、若者のワーキングプアの実態を、具体例をあげ報告しました。そして、様々な運動団体のネットワーク化や連携で、知識があれば死なずに何とか生きられること、情報があれば何とか生きられることを学んだと訴えました。また、フリーターや『ニートと呼ばれる若者の多くが正規になること望んでおり、自分で選択した結果、好きでやっているとか自己責任とかではなく、制度や政策の結果が現状の格差社会をもたらしていることを強調しました。そして、森川さんは、ホームレスに対しても「働かなくて、好きでやっているんだろう」という偏見がある。決してそうではなく、彼らは、自分で最低限食べられるように働いており、自分の家を持てないだけだ。年収200万円以下が1000万人を越えるようになった現在、ホームレスはたまたま家を持たない人たちであって、年収200万円以下の人々はホームレスと似た状況にあると指摘しました。そして、こんな実情の中で一方の企業は高収益をあげており、キャノンの偽装請負の例は労働基準法の適用を逃れるために脱法行為をやっている訳で、こんなやり方が企業の側の中心だ。抜本的な問題点だ。と指摘しました。そしRて、アメリカでもGMが全国スト、英国でも郵政が全国スト、フランスでも交通機関が全国ストで闘っているの例をあげ、世界的に経済が行き詰まり、世界的にも闘いがあることを訴えました。

これに対して雨宮さんがフリーターゼネストは以前から口にしている。1700万人の非正規労働者が一斉にゼネストに入ればたいへんなことになるだろう。そのときは弁護士の森川さんもぜひ協力をと呼びかけました。すると森川さんが、世界的に経済が行き詰っているが、その行き詰まりを戦争へと持っていくことが考えられる。だからこそ、ゼネストなんてさせないよう、凶暴罪も含めて、ありとあらゆる方法で国民が闘えないようにしたいはずだと警告。そして、国民の怒りの表現の結果だったとして参議院選挙で自民党が敗北したことにふれました。

すると雨宮さんが、規制緩和路線を踏襲しながら格差問題を解決するという福田内閣の登場について、「結婚式に出ながら同時に葬式をやるようなもの」という金子勝さんの表現を紹介しました。そして、今、ガラン系労組の労働運動が盛り上がりつつあり、また、少しずつ成果が上がっている現状を紹介しました。これに対して、森川さんはキャノンやレオパレス、アットホームなどのように、テレビなどでCMを流すような大手の企業が大手を振らせるような状態はまずい、なんとか叩きつけなければならないと指摘し、自由とははみ出すことだし、権力に対して物騒になることは正しいことだ訴えました。そして雨宮さんが、4月30日のプリカリアートメーデーのデモ行進のビデオを上映し、今年の12月1日にも渋谷で集会とデモを計画していることを紹介、戦争をする方向で物騒になるのでなく、プリカリアートの闘いで物騒になることはいいことだ、ぜひ12月1日にはデモに参加をして欲しいと訴え、対談を終了しました。

>>[第2部:若者からの報告]

このページの上へ移動

inserted by FC2 system